著作権侵害 「ファスト映画」アップロード、3名に有罪判決

 YouTubeを通じて映画を著作権者に無断でアップロードし宮城県警察本部と塩釜警察署に逮捕、起訴された被告人3名の初公判が11月2日に宮城県仙台地裁で開かれ、11月16日、第二回公判において、それぞれに以下の有罪判決が下りました。

 被告A(主犯格)懲役2年、4年間執行猶予、罰金200万円
 被告B 懲役1年6月、3年間執行猶予、罰金100万円
 被告C 懲役1年6月、3年間執行猶予、罰金50万円

 初公判において3名はいずれも起訴内容を認めました。検察は主犯格とされる被告Aに懲役2年、罰金200万円を求刑したほか、被告Bに懲役1年6ヶ月、罰金100万円、被告Cに懲役1年6ヶ月、罰金50万円を求刑していました。一方、3名の弁護側は反省の態度が見られるなどとして、執行猶予付きの判決を求めていました。
 また、警察、検察のご尽力により、初公判では金銭目当てで組織的にファスト映画投稿を行っていたことや、著作権侵害申告を行った映画会社をリストアップし、それらの会社を避けて投稿作品を選定していたなど、悪質な犯罪の実態も判明していました。

 3名は2020年6~7月の間、東宝(株)が著作権を有する「アイアムアヒーロー」ほか2作品および日活(株)が著作権を有する「冷たい熱帯魚」ほか1作品を無断で10分程度に編集し、ナレーションをつけるなどした上でYouTubeにアップロード等したとして著作権法違反の罪に問われていました。

 本件は、宮城県警からの捜査をうけ、CODAが本年度より本格的に取り組んでいる「国際執行プロジェクト(CBEP)」にご協力をいただいております中島博之弁護士(CBEP・リーガルディレクター)が先行して国際執行手続を行い、法的に裏付けのある被疑者情報を取得した後、CODAにおいて被害権利者の取りまとめをし、今回の摘発に至ったものです。

 CODAとしましては、今回の判決は妥当であり、「ファスト映画」という著作権侵害のさらなる被害の拡大を防ぐための大きな成果として捉えています。クリエイターらが時間、労力、費用をかけて制作した著作物を無許諾で利用し、広告費などから暴利を得る行為は決して許されることではありません。今後とも引き続き「ファスト映画」をはじめとする日本コンテンツの不正利用の一掃と著作権の適正な保護に努めてまいります。

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